Rally Glossary
ラリー用語集 ('16 5/28更新)
A-Z
あ
か
さ
た
な
は
ま
や
ら
わ
JWRC
「Junior World Rally Championship」の略。2002年度より制定される。
2002年〜2010年はグループA内の1.6Lラリー専用車であるSuper1600マシンで争われ、ほぼワークスと言える陣容で挑むマニファクチャラーも登場する(スズキ、シトロエン、ルノー等)。
FIAはマシンの開発競争が過熱し、費用が高騰する事を嫌って、2011年〜はグループR規定車両でのワンメイクマシンで行われている。
2011年〜2013年は「フォード フィエスタ R2」。
2014年〜は「シトロエン DS3 R3T」を使用して争われる。
参戦費用(主に移動費)を抑えるため、ヨーロッパ圏内で行われるWRCと同時に行われ、年間7戦。
ターマックとグラベル、どちらでも行われる。
エンジンは排気量1,600cc以下の2輪駆動マシンと26才以下の若いドライバーによって争われる。
現在では若いドライバーの登竜門となっており、ここで実績を上げるとワークスに引き抜かれる事もある。
PWRC
「Production World Rally Championship」の略。グループNマシンで争われる。
2002年〜2012年まで実施される。
ヨーローッパ圏外で行われるWRCとも同時に行われる。
年間8戦。8戦中6戦に参戦する必要がある。
ターマック、グラベル、どちらでも行われる。
市販車に限りなく近いマシンで争われ、4WD + 2.0Lターボエンジンがその大半を占め、ランエヴォやインプレッサばかりであった。
SS
「スペシャル ステージ」の意味。
公道で争われるラリーは移動区間と競技区間とにわかれており、SSは競技区間の事を指す。
WRCにおいては純粋に速さを競うが、日本ラリーだと、決められた時間にどれだけ近いかによって争われる(早すぎても駄目)。
WRC
「World Rally Championship」または「World Rally Car」の略語。多くは前者の意味でつかわれ、「World Rally Car」は「WRCar」と言われる事が多い。日本語で言うと「世界ラリー選手権」。
1973年より始まり、F1と同じ世界選手権の名称を与えられている。
市販車ベースのマシンで戦われ、基本的に公道で争われる。ヨーロッパではかなりの人気があるものの、世界的にはF1ほどメジャーでは無い。
日本でも認知度は低く、WRCと言われてなんの事か解るのは車好きの人たちばかり。
グラベル
「未舗装路」の意味。アスファルトやコンクリートで覆われていない土丸出しの道路の事。
当然ながら滑りやすく走りにくい。
マシンも車高が高く、サスペンションを上手に働かせるために小径のホイールを装着(サスペンションの下に付いているもの[バネ下重量]を軽くすると、サスペンションが下に引っ張られず、上下運動しやすくなる。ホイールはバネ下重量のなかで一番重い)し、土をかき出すために凹凸のあるタイヤを履く。
グラベルクルー
SS閉鎖の直前にコースを下見する人の事。
路面状況の確認が主な仕事であり、レッキの時から路面コンディションが変わっている所や、天候、観客 等を確認しドライバーおよびコ・ドライバーに伝える。
ターマック
「舗装路」の意味。アスファルトやコンクリートで舗装された道路の事。日本の峠道の様な所で争われる
マシンも車高をギリギリまで落とし、タイヤの剛性を高めるために大径ホイールを装着し、スリックに近いタイヤを履く。ブレーキも強力な物を付けるため、コーナリング時にはブレーキディスクが摩擦熱によって赤く光る。
得意手・不得意手が極端に別れる傾向があり、「ターマックスペシャリスト」と呼ばれる人もいる。
ターマックスペシャリスト
ターマックにおいて、敵無し状態に速くなる人のこと。
2002年ではプジョーのジル・パニッツィがその代表格。
コドライバー
助手席に座って道案内をする人。
道案内といっても、「5速 右 ゆるやか」等 速く走るために道案内。
特に、視界を奪われるナイトステージでは重要。
ペースノート
コドライバーが読みあげるノートの事。
ベテランコドライバーほど、多くのコースのペースノートを持っている。(らしい)
シュコダ
チェコの自動車メーカー「SKODA」
フォルクスワーゲン傘下。
かなり古くからラリーに参戦している。
ヒュンダイ
韓国の自動車メーカー「HYUNDAI」
いわゆる財閥であり、車以外にも色々な事をやっている。
漢字で書くと「現代」
スーパーSS
「スーパー スペシャル ステージ」の意味。
公道ではなく、特別に作られたミニサーキットの様な場所で2台併走で行われる事が多い。
観客に見せるSSであり、非常に短い。
グループB
1982年から1986年までWRCのトップカテゴリとなった車両規定。
連続する12ヵ月で200台のベースマシンを開発すれば、ホモロゲーションが取得可能。
さらに、1度ホモロゲーションを取得してしまえば、進化版となるエボリューションモデルは僅か20台 製作すれば良かった。
そのため、マシンはパイプフレームと樹脂製ボディというレーシングカーの様な構造となり、かなり軽量となる。
エンジンも当初は300ps程度であったが、開発競争が激化し500psを超えるマシンもあった。
しかし、このオーバーパワーを意のままに操れるドライバーは少なく、
最終的にドライバーの死亡事故が発生してしまいグループBは中止となる。
グループA
1986年よりWRCのトップカテゴリとなったクラス。
市販車ベースでリストリクターによる馬力規制を導入し、当初はグループBより迫力に欠けると言われた。
年間2500台以上の生産された4人乗り以上の車がホモロゲーションを取得できる。
改造範囲は広いものの、ボディの形状変更や駆動形式の変更は認められていないため、ベース車両の良し悪しが出やすい。
また、吸気ポートにφ34のリストリクターの装着が義務付けられている。
グループR3
2013年に規定された、旧スーパー1600規定の代わりとなる規格。
2輪駆動車のみが対象で、ベース車からのエンジン型式変更は不可。
6速シーケンシャル トランスミッションを標準搭載。
WRCではWRC-3へ参戦可能。
R3規格内でさらに3つの規格に別れている。
R3C : 自然吸気ガソリンエンジンで排気量が1,600cc〜2,000cc。車重は1,080kg以上。
R3D : スーパーチャージャー付きディーゼルエンジンで排気量が2,000cc以下。車重は1,150kg以上。
R3T : ターボ付きガソリンエンジンで排気量が1,618cc以下。車重は1,150kg以上。
R3はR規格の中でも、唯一ディーゼルエンジンが使用可能である。
戦闘力としては、市販車の仕様の影響をもろに受けが、
R3規格内ではR3Tがエンジンパワー、トルク共に一番大きくしやすい。
例えば、ルノー クリオ R3Tは1,618ccターボエンジンで225ps。
ベース車の段階で上限一杯のエンジンを搭載している。
対して、フィアット 500 R3Tは1,368ccターボエンジンで180ps。
ベース車の搭載エンジンが違うと、同じ規格内でも出力にかなり差があります。
・車種例
|-R3T : ルノー クリオ R3T (1,618cc 225ps)
|-R3T : フィアット 500 R3T (1,368cc 180ps 300Nm)
|-R3T : シトロエン DS3 R3-MAX (1,598cc 234ps 430Nm)
|-R3C : トヨタ GT86 CS-R3 (1,998cc 238ps 230Nm)
|-R3D : フィアット グランデ プント R3D (1,900cc 175ps 353Nm)
グループR4
S2000規定、R5規定車種の導入により、戦闘能力で劣るグループN(N4)の車種は劣勢を強いられていた。
そこで、今までのグループNに比べ改造範囲のやや広いR4規定を2013年に導入。
2,000cc以上の排気量を持つ4WDが対象車種となる。
グループNでは制限されていた、
・ボンネット、ドア、ガラス、ダッシュボードの軽量化
・サスペンションの強度、ストロークの延長 可
・エンジンルームの冷却性能向上(開口部の追加等)
が可能になり、最低重量も1,300kgとグループNより100kg近く軽くできる。
R5 同様にWRCではWRC-2へ参戦可能。
ただ、パワーでS2000およびR5に秀でている訳でもなく、
R5は最低重量が1,230kgと軽く、全幅も1,820mmと広いため、太刀打ち出来ていない。
・車種例
|-スバル インプレッサ WRX R4
|-ミツビシ ランサー エヴォリューションIX R4
|-ミツビシ ランサー エヴォリューションX R4
グループR5
2013年にS2000規定の代わりとして設けられた、ラリー用車両規定。
R4 同様にWRCではWRC-2へ参戦可能。
ベース車は全長4,000mm程度のコンパクトカーになる事が多い。
改造範囲はS2000同様に広く、
・エンジンは1.6L以下(グループ内の4気筒エンジンなら使用可。但し、市販のシリンダーブロックを使用する必要有り)
・4WDへの改造可能
・サスペンション形式の変更(ストラット式)
・サスペンション取付部およびサスペンションは前後共通
・ターボチャージャーの追加(φ32mm リストリクター必須)
・ワイドボディ化(全幅 1,820mm)
・軽量化(最低重量 1,230kg)
・5速 シーケンシャル トランスミションの搭載可
等、多岐に渡る。
ただし、
・4WDシステムは共通ホモロゲパーツから選択
・ミッションは共通ホモロゲパーツから選択
・販売価格は180,000ユーロ(2,250万円)以下(前後バンパー、フェンダー、リアウィング、ターボ、サスペンション等にも個別の上限価格がある)
と言う縛りもある。
しかし、1.6Lターボとなると、出力・トルク共にS2000を上回るため2016年では
地域選手権(ERC:ヨーロッパラリー選手権、APRC:アジア・パシフィックラリー選手権 等)での、
トップカテゴリとなる。
・車種例
|-プジョー 208 T16 R5
|-シュコダ ファビア R5
|-フォード フィエスタ R5
|-シトロエン DS3 R5
|-ミツビシ ミラージュ R5
ミルピステ コンセプト
午前中にレッキを行い、午後はSSを走行するラリー方式。
Leg3までのラリーならシェイクダウンも含めて4日でラリーが可能。
2003年度はレッキ、シェイクダウン、競技を全部別の日に行うため1週間かかる。
アンチ ラグ システム/ミス ファイヤリング システム
ターボは排気ガスによってタービンを廻し、エンジンに強制吸気させる装置なので、エンジン回転数が下がると当然 排ガスが減りタービンが回らなくなってしまう。回転しないタービンは単なる鉄(最近ではチタンかな?)の塊になってしまうため、再び回転させようとすると、アクセルを踏んでも加速するまで若干のタイムラグが生じてしまう。。
そこでシリンダの排気ポートとターボ タービンの間に残った未燃焼ガスを発火させて強制的にタービンを回転させてしまおう!というシステム。これによって、4WDの動きが変わったとさえ言われている。
コーナー侵入時のブレーキ中に「パンッ・・・パンッ」とバックファイヤーが出るのはこのシステムのせい。
アクティブ デフ
多盤クラッチを使用した機械式LSDはあくまでタイヤの回転数がずれた時にしか働かなかったが、アクセルの踏み量・ハンドル角度・ブレーキ踏み量・・・等をセンサーによって感知する事により、タイヤが滑り出す前に前後のトルク配分やタイヤ(ホイール)の回転数を滑らない様にするデフの事。電気的(プログラム)により、いくらでも変更できるため各ドライバーの「癖」にも柔軟に対応できる。(らしい)
コーナーの脱出速度が飛躍的に速くなったと言われる。
三菱が得意としていたシステムで、1999年は圧勝する。
リストリクター
ラリーカーの出力を制限するために吸気ポートに装備が義務付けられている物。
エンジンはガソリンと空気を混ぜて燃やすので、空気が多ければそれだけガソリンを燃焼でき出力も上がる。しかし、出力制限のなかったグループBにおいてドライバーの死亡事故が発生してしまい、馬力制限として登場する。
それ以降はエンジンの出力ではなく特性が重視され、同時にハンドリング・サスペンション・デフ等の駆動系における進化が目覚しくなる。
アクティブ アンチ ロール バー
その名の通り、アクティブ=能動的に アンチ=減らす・抑制する ロール=重心移動(車の傾き) バー=棒 であり、2002年からプジョーが搭載しているシステム。
マシンが傾く事によって車の重心が中心部からずれてしまい、コーナリング時に遠心力によってスリップしてしまう事を防ぐ。左コーナーでは右に重心がずれるため、ロールを抑えて逆に左に重心をもってこようとする。右コーナーはその逆。
これによってプジョーは2002年 圧勝する。
ボンネットピン
WRCの場合、サービス時間が決められているため少しでも無駄な時間を減らさなければならない。そのため市販車の様にドライバーがボンネットを開けるのを待つ訳にはいかないので、外から空けられる様にしてあるピンの事。
たま〜にメカニックがピンを締め忘れて、走行中にボンネットが開き窓を割ってしまう事がある。
ボクサー エンジン
正式に言うと、フラット エンジン。
V型エンジンをそのまま180°Vにした形。シリンダが左右対称になっており、シリンダの上下(この場合は左右)運動を互いに打ち消しあうため重心が中心からずれない。また、直列やV型エンジンの様に縦長ではなく平べったい形になるため、エンジンをかなり下の方に設置でき低重心にすることができる等のメリットがある。
日本ではスバルが使用しており、世界的にはポルシェとBMWが使用している(BMWの場合はバイク)。
ボクサー エンジンというのはスバルが付けた名で、ピストンの動きがボクサーのパンチに似ているからとの事。
日本のインプレッサ乗りがエンジンを無補強でチューンして「ボクサー エンジン 真っ二つ事件」を数多く起こした。(らしい)
ボクサー エンジンは中心をネジで締めてあるため、馬力を上げるとここから真っ二つに割れる。補強をすれば問題無し。
シーケンシャル シフト
市販車のH型ではなく、レバーの前後によってギアをアップ/ダウンするシフト。
前後運動だけなのでシフトチェンジに要する時間がかなり減少したものの、リバースに入れにくい事や3速→1速 等の飛ばしが出来ないため、最初は嫌がるドライバーもいた。
現在ではこれに電子制御を取り入れた「セミAT」が主流。
シーケンシャル シフト自体は感覚的にバイクのシフトに近い。
ちなみに市販車のAT車にシーケンシャル風の装備が付いている事があるが、あくまで「〜風」なので注意。
シュノーケル
サファリ ラリー限定で装備される吸気用のダクト。
サファリの場合、雨が降ると道が川に沈んでしまう事があるためマシンが水没しても吸気ポートに水を入れないために、天井まで伸びた吸気ダクトを装備する。
近年のサファリは乾季に行うため、ほとんど雨が降らない。そのためダクトも年々短くなり、天井まで伸びている物はあまり見かけなくなった。
アニマル バー/ブル バー
サファリ用の動物よけのガードの事。
サファリ ラリーはアフリカで行われるため多くの野生動物が生息している。そのためコース上に動物がいる事も多々ある。
通常は避けるのだが、サファリは非常に高速で走るため避けきれない事もある。そのときにドライバーを守る目的で装備された。
プジョー、シトロエン等はアニマルバーをフロントバンパー内に収納しているが、空力特性の向上やフロントハングの減少を狙ったものと思われる。ただし、動物に当たった場合はエンジンを傷めないものの、フロントバンパーは粉々になり、下手をすると動物を跳ね上げてしまい、フロントガラスに当たってしまう可能性も有りえる。
日本でもRV(パジェロみたいなやつ)に付けている人が多いが、この場合は動物よけと言うより物にぶつかった時や人を引いてしまった時に自分の車を守る事が多い。ちなみに非常に頑丈に作られているため、当たったら(対象物の)最後である。
連 ランプポッド
ナイトステージで遠くまで見える様に取り付けるランプの事。
フロント部分にカーボン、ワイヤー等で固定される事が多い。
私的には「キャノンボール ライト」と呼んでいる。
セミAT
機械的では無く、電気信号によってギアを変化させるシステム。
基本的にハンドルの近くに小さいレバー(またはパドル)を取り付け、その前後運動でギアアップ・ダウンの信号を送りアクチュエーター等でギアチェンジをする。
また、ギアチェンジの信号を受けるとエンジン回転数をどん ぴしゃりに合わせてくれるシステムも搭載され、スタート以外はクラッチを使用しなくて済む。
ルーフ ベンチレーター
マシンのルーフ(屋根)に取り付けられた吸気ダクトみたいな穴の事。
エアコン等の快適装備をもたないラリーカーは窓を開けて走る事もできないため、天井からドライバー・コドライバーに風を送って熱気を排除する様になっている。
一時期スバルがボンネット上にある吸気ダクトからコックピット内に空気を送った事があるが、エンジン内の熱気がそのまま入ってくるため不快感が半端ではなかったらしく、すぐに屋根からの吸気に切り替わった。
レッキ
SS走行前にそのSSを試走する事。
このレッキ中にコ・ドライバーはペースノートを書いたり、確認したりする。
通常はレッキ専用の車で行うが、ラリーがミルピステ コンセプト方式になると本番用のラリーカーで行う事になる。
ムースタイヤ
ミシュランではATS。ピレリではEMIと呼ばれるタイヤのパンクによる速度低下を抑制する機構を持つタイヤのこと。
ガスを含んだスポンジ形状の物をタイヤ内に入れる。→タイヤ空気圧を2気圧程度にすると、このスポンジは圧縮され体積が1/2程度になる。この時スポンジ内のガスは外向きに膨張する力を持つ。→走行によってタイヤが熱くなると、タイヤ内の気温も上昇しガスの膨張力はさらに高まる。→パンク等でタイヤ内の気圧が低下すると、このスポンジは一気に膨張を始めタイヤ内いっぱいに大きくなる。これによってタイヤはパンクしていない時とほぼ同じ状態になる。
というのがおおまかな動作。
グラベル・ターマック共に利用されるが、直線距離が長くタイヤ温度が非常に高くなるサファリにおいてはスポンジが膨張しすぎてタイヤが爆発してしまうため利用されにくい。
日本アルペン ラリー
日本のアルペン。群馬で主に行われる国際格式のターマック・ラリー。全日本の計算ラリーとは違い、純粋に速度だけを争うFIAルールのラリー。
けっこう古くから行われている。(らしい)
アジア パシフィック ラリー選手権
アジア・中東・オセアニア地域でおこなわれる国際格式のグラベル主体のラリー。通称「アジパシ」
日本だと、全日本を勝ったら次はアジパシ。といった感じだったが、ヨーローッパでは国内で勝ったら次はWRCというパターンが多く、最近では日本人もあまり参戦していない。優勝してもワークスに抜擢される事は少ない。
カスタマースペック
ワークスが使用する「ワールド ラリー カー」(またはグループA)のマシンをプライベーターに販売する時の仕様。
外見は変わらないものの、ワークスで使用されたマシンの中古が多く、1年落ちのマシンがそのほとんど。
また、ワークスカーと全く同じでは無く、若干デチューンされその分安くなっている。
セミ ワークス
ワークスから支援を受けるプライベーターの事。
カスタマースペックとは違い、ワークス謹製のスペシャルパーツ等を装着している場合が多い。4人同時に走らせたい時は大体1人はセミワークスからの参戦になる。
安全燃料タンク
ラリーカーは岩や小石の多い道路を走るため、市販車の様に下部に燃料タンクを置くと穴が空く可能性が高い。そのため、ボディ内にカーボン等で作られた燃料タンクを置く。
オーバー ハング
リア/フロント タイヤより後ろ/前にでている部分の事。
この部分が重いと、それだけ遠心力の影響を受けてしまいコーナリング特性が悪くなると言われる。
一般にセダン/クーペタイプの車はオーバーハングが大きく、逆にハッチバックタイプ(ノッチバックは含まない)はオーバーハングが少ない。
市販車の場合はセダン/クーペの方がリア剛性が良いとされるが、ロールバーで固められたラリーカーの場合、ボディ形状による剛性差は無い。
ワールドラリーカー
「World Rally Car」。
1997年〜2010年はグループA内に設けられた排気量が2.0L以下のターボエンジンを搭載するラリー専用車の事。
2011年〜はS2000規定をベースとした、直噴1.6L以下のターボエンジンを搭載するラリー専用車という位置づけとなる。
多くのメーカーの参戦を促す為に、量産の2WD・NAエンジン車を4WD・ターボエンジンに作り変える事が許され、エンジンもベース車とは違う形式のものを搭載する事が可能であり、20°までの傾斜搭載が許されている。
また、ボディ形状の変更も可能。(ただし、ベース車が4ドアなのに2ドアに改造するのは駄目。)
グループA以上に改造範囲が広いため、既にグループAマシンではワールドラリーカーに太刀打ち出来ない程になっている。
ただし、あくまでラリー専用車であるためラリー以外の競技での使用は禁止されている。
2010年までは、高度な電子制御が許されており、セミAT、アクティブデフ、アクティブサスペンション、アクティブアンチロールバー等の電子制御による能動的動作を可能とする機器が多数開発され、実践に投入される。
2011年からは、開発費の高騰を危惧され電子制御に対して大幅に規制され、
上で上げたセミATおよびアクティブ○○は全て禁止とされ、
シーケンシャル トランスミッション、機械式デフに逆戻りとなる。
最低重量は1,230kgから1,200kgに、全幅は1,800mmから1,820mmにワイド化され、見た目での迫力を維持し、運動性能が向上する様になっています。
しかし、ハイパワー化が危惧されエンジンの吸気リストリクターを34mmから33mmにする事で、エンジン出力は300〜320ps程度に抑制されます。
2017年からは、最低重量が1,275kg。全幅は1,870mm。アクティブセンターデフの使用可。リストリクターは36mmまで拡大。等の性能向上案があり、運動性能の向上と380ps程度までの出力向上が実施される予定。
その他に空力性能の向上として、
・フロントバンパーにスプリッタの装着可:ダウンフォースの向上
・フロントオーバーハングはベース車より60mm 延長しても良い:小さいフロントウィングみたいなのが付く可能性が高い
・リヤデフューザーはリアバンパーより50mmまで飛び出しても良い:ダウンフォース向上
・リアウィングはリアバンパーより50mmまで飛び出しても良い:ダウンフォース向上
・サイドスポイラーを全幅まで大型化可:リアウィング、デフューザーとの併用でダウンフォース向上
等、見た目もごつくなります。
その他、グループAではベース車を年間2,500台生産すればホモロゲーションが取れたが、ワールドラリーカーでは年間25,000台生産しなければならい。
ただし、25,000台生産した車種の派生モデルであれば良く、直接的なベース車が2,500台生産されれば、ホモロゲーションの取得が可能となる。
そのためベースとなるモデルはファミリーカーで、ワールドワイドに展開しているモデルになる。
そのモデル内に直接的ベースとなるモデルを2,500台生産すれば良い。
例えばスバルのインプレッサの様に4WD + ターボモデルを直接的なベース車とし、2WD + NA、さらにはスポーツワゴンという幅広いラインナップを持つ事 + 国際企業である事が必須とも言える。
日本のメーカーはベース車が大きいためと、国内で売れないため存在しないが、ヨーロッパのメーカーは必ずと言って良いほど3ドアハッチバックタイプボディをラインナップに加えており、それを直接的なベース車としている。
グループN
完全な市販車ベースであるカテゴリ。
改造範囲はかなり狭く、許されるのは安全装備がそのほとんど。吸気リストリクターもφ32とグループAよりもさらに小さいため、市販車よりもパワーは低い。
その他に機械式LSDやドグミッション(シーケンシャル シフト)の装備、サスペンションの変更(形式や取り付け位置の変更は不可)が可能。(ただし、ミッション ケースの変更は不可)
完全にベース車の性能に左右され、個々のマシンでの違いは重量とECUのマッピング程度であり、いかに軽く いかにECUセッティングでパワーを出すかがカギ。
ランサー・エヴォリューションがそのほとんどであり、かなりのイコールコンディションで争われる。
ホモロゲーション
FIA等が公認、又は開催するモータースポーツ競技において使用できるマシンに与えられる許可の事。
市販車ベースのラリーにおいては市販車の段階で満たさなければならない条件(年間生産台数や乗員数 等)があり、ラリーのルール(レギュレーション:改造可能範囲)に従って製作され、なおかつ市販車での条件を満たしているマシンにしかホモロゲーションは承認されない。
ラリーにおいてはラリー用のスペシャルパーツを組み込む事がゆるされている。このスペシャルパーツは個別に承認を得なければならず、エクステンション(バリアント・オプション)と呼ぶ。
基本のホモロゲーションとエクステンションの集合体によってラリーカーは成り立っている。この他にワールドラリーカーでは独自のエクステンション(ワールドラリーカー・バリアント)が認められており、この中に駆動形式の変更やエンジンの変更、ボディパーツの変更、サスペンション形式の変更 等、ワールドラリーカーにしか認められていない改造が含まれている。
2006年からスーパーS2000規定が、2013年からグループR規定がそれぞれ制定され、駆動形式の変更やボディパーツ、サスペンション形式の変更はスーパー2000マシンおよびR5マシンでも可能となる。
ホモロゲーション違反(ようするに、不正改造)を行った場合、かなり厳しい処罰を受けてしまう事になる。
スーパー1600
グループA内に設けられた、ラリー専用の1600cc以下・2輪駆動車の事。
F2クラス(キットカークラス:2000cc以下・2輪駆動)の参戦メーカーがほとんど居なくなってしまったため、その安価版として登場する。そのため、改造範囲はグループAより広くF2とほぼ同等になり、ボディパーツの変更(オーバーフェンダーやブリスターフェンダーの装備)が可能である為「これでもかっ!」というくらい大きなフェンダーが目を引く。しかし、販売価格が決められており、10万USドル以下で製作しなければならないため、カーボンやチタンと言った高価な軽量素材はほとんど使用できない。その他、セミAT等の電子制御機器の装備も許されていない。
他に、φ60リストリクターの装備や、最高出力発生回転数を9,000回転以下にする事が義務付けられている。
コンポジット素材
FRPやカーボンといった繊維で強度を大幅に向上させた樹脂(プラスチック)の事。
プラスチックより造形は難しくなる。
FRP
ガラス繊維で強度を大幅に向上させた樹脂(プラスチック)の事。
FRPだとFiber Reinforced Plastics(繊維で強化されたプラスチック)の略になるため、正式にはGFRP(Gはガラス)と綴る。
カーボン
カーボン(炭素)繊維で強度を大幅に向上させた樹脂(プラスチック)の事。
カーボン繊維はガラス繊維より硬いが重くはないため、薄く整形し重量が軽くてもガラス繊維を用いた場合と同等の強度が持てる。
同じ強度で製作した場合、ガラス繊維よりカーボン繊維の方が1.5倍程度高価。
ガラス繊維とガラス繊維は同量であれば10倍程度の価格差がある。
レアメタル
鉄、銅、アルミ等のありふれている金属とに比べて、地球上での存在量が少なく単体(その他の物質が不純物として混じっていない状態)で作りにくく、さらに採掘も難しい物質の事を指す。
代表的な物はチタン(Ti)やニッケル(Ni)、タングステン(W)、白金(Pt:プラチナ)
チタン(Ti)
耐蝕に強く、ほとんど錆びず耐熱にも強い。(1668度で溶ける)
鉄(鋼)と同等の硬さがるが、重さは約半分。アルミよりは1.5倍重いが強度は約2倍であるため変形しにくい。
エンジンバルブ、排気管(エキゾーストマニホルド、マフラー等)等の耐熱性が必要な箇所、あるいは強度が必要な回転部・動作部に使用される。
マグネシウム(Mg)
アルミニウムより軽量な金属。
強度は単体ではアルミの60%程度と弱いが他の物質を混ぜて合金にする事により、ほぼ同等の強度を持つ事が可能になり、軽い。
ただ、水に触れただけでも腐食するほど耐腐食性が低く熱にも弱いという欠点がある。
レースにおいてはアルミより軽いため、高温まで発熱しない事からホイールに使われる。
ウォーターインジェクション
ターボ過給で高温になった空気に水を噴射して冷却することで空気の濃度(温度が低い方が密度が高い。)を高め、濃度の高い空気を用いる事により多くの燃料を燃焼しエンジン パワーを高める機能。
ただし、水はエンジンオイルの劣化や錆びを招くので耐久性の求められる市販車には利用できない。
WRCにおいては各シリンダー毎に装備され、吸入のタイミングに合わせて噴射される様になっている。
フェイスリフト
クルマのマイナーチェンジ時に正面からの見た目が変わる事。
モデルチェンジ時も見た目は変わるものの、変わって当然なのでフェイスリフトとは言わない。
例はスバルの2代目インプレッサ(GDB)。「丸目」→「涙目」→「鷹目」と2回行っている。
マクファーソンストラット
ダンパー自体に車輪を取り付けたサスペンション形式の事。
レーシングカーのダブルウィッシュボーン形式に比べると構造が単純で部品点数が少ないためコストが安い。
ただし、ジオメトリー変更を行う場合ダンパーの取り付け位置から変えないといけないため容易には行えない。
ダンパー
サスペンションの構成部品の一つ。
オイルの粘性抵抗や圧力を利用して、物の動きを制御したり衝撃を和らげる装置。
タイヤが地面から離れる事を抑制する事が主な目的でり、硬いとタイヤが跳ねて地面から跳ね上がってしまうため一概に硬いから良いというわけではない。
WRCにおいてはグラベルでは柔らかい状態にし、マシンが飛び跳ねない様にする。
ターマーックでは路面の凹凸が少ないため、グラベルよりは硬い状態にするが、それでも凹凸では跳ねない程度の硬さにする。
ターボ
排気管(エキゾースト マニホルド)内のタービンをエンジンの排気圧力で高速回転させ、その回転力で圧縮機を駆動することによって吸気管内を流れる空気を圧縮し、エンジン内に送り込む装置の事。
空気濃度を高める事により、より多くの燃料を燃焼できる様になりパワーが上がる。
ホイールベース
クルマを真横から見て、前輪の中心と後輪の中心との間の距離のこと。
長いと直進走行での安定性が上がるが、旋回性能は下がる。
短いと旋回性能は上がるものの、踏ん張りが利かなくなりトリッキーな挙動になる。
長短の程よいバランスが大切な箇所。
サスペンション
地面から伝わる前後左右上下方向の力を吸収する装置の総称。
地面から伝わる力の大半は上下方向。その次に前後。一番弱いのが左右になる。
上下方向は圧縮されたオイル(トラック等では空気の場合もある)の入ったダンパーとそれに巻かれているコイルスプリングによって吸収し、
前後の力も同様。(ダンパーは横から見ると少し角度が付いている。)
左右もダンパーの傾斜で吸収する。
その他にゴム製のブッシュ等でも少し衝撃を吸収している。
デファレンシャルギア
全輪駆動または後輪駆動の場合、後輪に力を伝達するため横回転のプロペラシャフトを用いる。
この横回転を縦回転(タイヤの回転する方向)に切り替える装置。
ここにLSDを組み込む事で左右の車輪に伝える力を制御できる。
トルク
「力」のこと。単位は「kg-m」。
車の場合、例えばワールドラリーカーの様に60kg-m/4,000rpmの場合はエンジンの回転軸(クランクシャフト)の接線と垂直方向に長さ1mの棒を付け、その先端に60kgの重りを付けると釣り合う力を4,000rpm時に発生できるという事。
実際は減速機(フライホイールやミッション等)で力が増幅されるため、1,230kgのラリーカーでも動かせる。
減速機を変えなければ発生する力が大きい程 車輪に伝わる力が大きくなる。
トレーリングアーム
サスペンション形式の1つ。
直訳するとトレーリング=引きずる、アーム=腕となり金属製のアームにホイールを取り付け、アームに衝撃緩和装置(ダンパーやコイルスプリング)が付いているサスペンション。
アームが上下に動いてもホイールの位置が変わらないため、ホイールハウスを小さくできるが、
上下にしか可動部がない為、横からの力に非常に弱く車の後輪によく使われている。
サスペンション ジオメトリー
サスペンション装置 一式の配置や取り付け角度の総称。
これにより、ホイールおよびタイヤのキャンバー角変化量、トー角変化量、ロールセンターの変化量が決まる。
そのためサスペンションの性格を決める最重要要素であるため、適正値からはずれてしまうと曲がりにくい、止まりにくい、走りにくい状態になってしまう。
2005 - 2006年とスバルは適正値が見つけられず苦戦を強いられる。
ワイドボディー
同じ名前の車でありながら以前より車幅が広げられた状態の事。日本語だと車の全幅の拡大(かな?
例は2004年型インプレッサWRCの全幅1,770mmが「ワイドボディー化」され2005年型で1,800mmまで拡大された 等。
ドグミッション
シーケンシャルシフトの事。
|